日記

○月×日夜 天気:晴れ  真東 輝


今日は、新任の外科医として安田記念病院、別名ヴァルハラに初めて出勤だ。
初めての出勤という事もあり前日は、緊張し寝付けが悪くて朝寝坊してしまった。
自転車で大急ぎで行ったためなんとか間に合ったが、
初出勤で遅刻なんかシャレにもならないからなぁ

新任挨拶の時、おもいっきり大きな声で自己紹介だ。おかげで先輩医者達の受けは良いし
看護士さん達からも絶賛のあらしだ。まずは第一印象は成功したといっていいだろう。
なかなかいい雰囲気だし、悪くないと思った。
それに医者になったんだ!と、なんともいえない気分になった事も・・・ドキドキしたよホント

お茶を持ってきた看護士さんが、佐倉綾乃さんって
いうだんけど、あまりに可愛いものだから、慌てて熱いお茶を一気飲みしてしまった。
今でも舌や喉が痛い・・・まだまだウブだなオレも・・・(なんだか恥ずかしいなぁ。)

その後に現れたのが院長だ。外見はどこからみてもヤクザなのだが、
いや内面もだけど・・・オレが少し注意しただけで3発も殴られた。
院長というより組長の間違いじゃないのか?それにしても
まったくもってひどい!これで益々この病院はヤクザに乗っ取られているんだろうと思った。

オレの指導医というのが、北見柊一とかいう外科部長だ。見た目は男のオレから
見た感じでもかっこいい方だと思う。ロンゲだし・・・最初は20代後半かと思ったが
外科部長と聞いて、35前後か?その割には若作りしてんなぁ
それに目つきが鋭いので厳しいのかと内心思っていたが、
案の定とんでもなく厳しい奴だった。確かにオレもミスしたから悪いけどあんなに
怒る事ないじゃないか?もう少しやさしく言ってくれったっていいだろう?
医者としての能力は認めるが、今までにコイツに指導を受けて逃げ出した奴は多いに違いない。
それにしても結構ショックだった・・・思わず服の上から胸の手形を抑え付けてしまった。
自然に手がいったのだが、(こんな事ではいけない・・・父さんに笑われる)
と心の底では思ったのかもしれない。

それで、反骨精神旺盛なオレだ。一生懸命勉強する事にした。
がんばるしかないし頭悪いしドジだし・・・(書いていて悲しくなった・・・)
綾乃さんにも励ましてもらって落ち込んでいたオレも立ち直れた。
本当にこの人は、良い人だなと思い、研修医の時に断られ続けたある事を
頼む事にした。綾乃さんならきっとOKしてくれると・・・
でもNOだった。もしかしたら昼間オレがミスしたのを知っていたのかもしれない。
何にしても胃カメラぐらい良いじゃないか?
練習したいし上手くなりたいんだが、今回もお預けか・・・

っと考えている時にいきなりHOTだ。小さな女の子が鉄筋に串刺しになっている。
見るからに惨い。院長と北見は運悪くオペ中だ。オレしかいないと思った時は
心底悩んだよ。オレみたいなヒヨッコが出来るわけない・・よそ(他の病院)に行けってね。
でも間に合わない。なんだか胸の手形が痛んで(本当にそれで良いのか?)と語りかけて
きた様な感じがしたんだ。それで決心した。オレしかこの子を救えないと・・・

オペ中は無我夢中だった。この時の事は残念ながらあまり覚えていない。ただ、死なせたくない
救うんだ!というのと、なんだか命の叫びが聞こえて、命を掴んだ感触はあった様な
気がする。正直上手くいった事にはオレ自身も驚いている。
女の子の両親からお礼を言われた時には、オレも熱いものがこみ上げてきて思わず泣いて
しまった。だって助かった事が凄く嬉しかったし・・・
医者になって本当に良かったと思ったからだ。
これからも多くの人を救いたいし、こんな感動を何度も味わいたい。
これで、少しは父さんに近づけたかなぁ?

しかし、よくもまぁ最初の日にいろんな事があったものだ。大変そうだがなんだが充実感もある
明日からもがんばって行こう。


どんな感じだったでしょうか?テル先生日記という事で書いてみました。
テル先生が思っている所はライン的解釈が多分にありますのであしからず・・・^^;
少し辛口のような感じですがね(^_^;)(序章の事です。)
これからもラインが気になった話を日記みたいにしていこうかなぁと思っています。


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