Freescale MC68HC908Q

これは 2004年 5月に書いた内容を 2005年 9月に更新したものです。

和文データシートには電気的特性は載っていません。古めの英文データシートでは、「電気的仕様 Electrical Specifications 」 の中の 「絶対最大定格 Absolute Maximum Ratings 」 の項目に DC Injection Current があったのですが、最近の英文データシートでは 「電気的特性 Electrical Characteristics 」 の項目に移動しています。いずれにしても守らなければならない項目です。


「電気的特性」の DC Injection Current について

MC68HC908QT/QY/QB の出力ポートの駆動能力は、ポートAがH出力、L出力とも1本あたり25mA。ポートBはH出力、L出力とも1本あたり15mA。そして、デバイス全体では100mAまでとなっています。

ところで、英文データシートで入出力ポートについて調べると、電気的特性の項目に DC Injection Current という項目があって ±2mAとなっています。辞書で調べると Injection は注入だそうです。つまり、デバイスの外部から無理やり電流を流し込む(流し出す)電流を規定しています。これだけではピンと来ないので、もう少し説明します。

一例を挙げればこういうことです。電源電圧と、ポートのH、Lに注意して見てください。普通は流さない方向に電流が流れる構成になっています。

出力ポートがHのとき、さらに高い電位から無理やり注入する電流の上限が2mA。

               +5V
     +3V         Δ
     Δ         │
    ─┴──┐      │
        │      │
        │      │
     
出力H├───R──┘
        │  ← MAX 2mA
        │
    ─┬──┘
     ∇
     GND

出力ポートがLのときは言葉にしにくいのですが同様にこうなります。

     +3V
     Δ
    ─┴──┐
        │
        │  → MAX 2mA
     
出力L├───R──┐
        │      │
        │      │
    ─┬──┘      │
     ∇         │
     GND         ∇
               -5v

データシートを良く読むと解るのですが、実はこの DC Injection Current という項目は入力ポートのときも同じです。

    +5V
    Δ         +3V
    │         Δ
    │      ┌──┴─
    │      │    
    │      │    
    └──R───┤H入力 
    MAX 2mA →  │    
           │    
           └──┬─
              ∇
              GND

              +3V
              Δ
           ┌──┴─
           │    
    ← MAX 2mA  │    
    ┌──R───┤L入力 
    │      │    
    │      │    
    │      └──┬─
    │         ∇
    │         GND
    ∇
    -5v

つまりこの±2mAというのは、各入出力ポートに「普通は流さない方向に無理やり電流を流すときの上限」ということになります。こういう使い方はしないと決めている人は特に気にする必要の無い項目です。(実際、マイコンメーカーが薦めている場合を除いて、こういう使い方はお薦めしません。)


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