(小さな声でも思いは伝わる)2004.6.9公開・・・随時新情報追加予定 |
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発声について |
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現在、私は気管切開をして人工呼吸器(ベンチレーター)を装着しています。しかし、私は8年前から小さいなりにも声を出すことができ、意思の疎通を円滑に行うことができています。 一般には人工呼吸器を装着するため気管切開をした時点で声を失う方が大半を占めています。 声を出せない言葉をしゃべりたい、自分の意思を伝えたいと言う思いがストレスの大きな原因にもなっています。 そんな中、「スピーキングバルブ」と言った呼吸器の回路に組み込んで声を出せる、便利なアイテムも登場しています。 ただ、このアイテムは、長時間使えないのが唯一の欠点ともいえます。 私の行っている発声法では二十四時間いつでも声に出してしゃべることができます。 私なりにまとめたこの発声法で、しゃべりたいと思っている方のお手伝いができればと思い公開することにしました。 2004.6.9 |
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私のケース |
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私が発声ができるようになったのは、気管内チューブをマリンクロットジャパン(タイコヘルスケアジャパン)のトラキオソフト・エバックに替えてからの事です。 この気管内チューブの素材は、違和感が無く柔らかいうえ、また、入れ替え時の出血などもほとんどありません。 とあることから単音の発声ができるようになったのです。それからは徐々に単語を発声できるようになり、今では短文の発声が出来るようになりました。 これは、神様からの贈り物と感謝しています。 |
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発声の可能性 |
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カニューレのカフエアーを抜いた時に声が出せるのであれば、この発声法は可能と思われます。 |
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発声のメカニズム |
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声帯と気管内チューブのカフとのスペースにある、わずかなエアーを使って発声します。 要は気道を膨らませる・・・イーメージして意識てきに首の部分「咽ぼとけ」に力を加えます。 次に間をおかずに気道内のエアーを押し出します・・・イーメージして意識てきに「咽ぼとけ」を上に押し上げます。 同時に「あ」と発声します。
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ステップ 1・・・始める前のチェック |
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上の前歯の付け根に舌の先を当て、口の中にエアーを充満させて気管へ(食道ではありません)押し込みます。または唾を飲み込む動作をして下さい。 気管切開部と気管内チューブとの隙間から「プスー」と音を出してエアーが抜けていないかチェックします。 エアーが抜けていたら発声が出来ません。 それとカフエアーが充分に入っていなければ上手くできません。
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ステップ 2・・・エアー抜けの修正法 |
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まず気管内チューブと呼吸器回路接続部分が肩のラインと直角の下向きであるか確認します。 理想としては直角(90度)にします。 気管内チューブが接続する呼吸器回路の角度によっては右肩よりに引っ張られていたり、あるいは、左肩よりにひっぱられて、気管内チューブと気切部の皮膚に隙間が出来て発声に必要なエアーがその隙間から漏れて発声が出来ないからです。 気管内チューブを固定している専用の紐をきつくない程度、首に紐が食い込むか食い込まないかの微妙な力関係のところで絞めて下さい。 唾を飲み込む時、気切部の皮膚が気管内チューブを絞めつけ回路を出来るだけ固定するようにイメージを持ちます。 |
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ステップ 3・・・もう一度チェック |
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エアーが抜けていなければ下記のことを試みます。。 唾を飲み込む動作をして下さい。 飲み込む時に舌の付け根の部分が上顎につく瞬間があります。 無ければ意識的に舌の付け根の部分を上顎につけてください。
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ステップ 4・・・発声 |
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舌の付け根の部分を上顎につけた状態のまま舌を喉の奥にずらします。(舌を飲み込むイメージで) そのときのど仏を上にずらすように首に力を入れて「え」と発声して下さい。 母音の中で「え」は経験上一番発声をしやすい音です。 何度か繰り返すうちに必ず発声が出来るタイミングがつかめるでしょう。
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ステップ 5・・・単音発声から単語発声へ |
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単音の発生が出来るようになりましたら、続けて音を発生するようにしてください。
やがて単語を一度に発声できるようになるでしょう。 少しでも意思の疎通が速く出来ますことを祈ります。 |