「たん」の自動吸引装置 県内の医師ら開発 年度内市販へ動く


世界初となる「たん」の自動吸引装置=写真上=を開発した山本医師=写真下・右=と徳永社長

 難病の筋委縮性側索硬化症(ALS)患者など、気管切開による人工呼吸管理が必要な人たちと、介護者の負担を解消する「たん」の自動吸引装置が、世界で初めて大分県内の医師とエンジニアによって開発された。気管にたまる「たん」は二十四時間、人の手による除去が必要だったが、医療環境が劇的に変わる。

 大分協和病院(大分市)副院長の山本真医師(50)と、徳永装器研究所(宇佐市)社長の徳永修一さん(55)が開発した。

 三個のローラーがチューブ(ゴム)を押しつぶしながら回転。チューブが元の形に戻る際に吸引力が生じる。「たん」は患者の気管に入れる医療器具(カニューレ)と一体化させた吸引路から、持続的に吸い込まれ、排出される。

 患者には「たん」による息苦しさがあり、気道内閉塞(へいそく)の危険もつきまとう。このため、介護者が終日「たん」を除去する必要がある。

 山本医師が「せめて夜間の吸引を自動化し、家族の負担を軽減できないか」と、徳永さんと一九九九年六月に研究を始めた。

 日本ALS協会や日本訪問看護振興財団が支援。厚生労働省も開発を進めるよう要請、科学研究費を補助した。実験や改良を重ね、ことし一月から二月に実施した臨床試験で装置の無効判定は一例もなかった。

 国内の特許を申請中で、米国や欧州の特許取得も目指す。薬事法による医療機器承認と、本年度内の市販化に向けて動いており、価格は二十万円以下を考えているという。


[2005年05月22日09:02]大分合同新聞